もったいないを笑顔に変える『フードバンク事業』

もったいないを笑顔に変えるフードバンク事業

備蓄食品の活用事業

日本の食品ロスは、1日に10トントラックで約1666台分(年間600万トン)にもなります。あまりにも量が多く今までのリデュース、リサイクルの手法では問題解決するには力不足です。

「眠っている防災備蓄食品=災害が起こらなかった場合に入れ替えられる消費期限前の物」の量は、日本全国で金額にしておおよそ1000億円相当。6月16日に閉会した国会でも都道府県、市町村合わせて米だけでも1・3万トン、乾パンで1760万食といった公的な備蓄が行われていると答弁された。

食品が備蓄されているのは自治体に加え、学校や病院、マンションなど多岐にわたる。災害が起きなければ毎年、民間の帰宅困難者対策分を合わせた膨大な量の5分の1相当が行き場を失う。賞味期限が5年のものが多く、都度入れ替えされるため、それらの行き先を探すことが必要になる。防災訓練などで住民や社員に配布されることはあるものの、多くは今まで掛け捨て保険のように焼却廃棄されてきた。我々のそばにある備蓄食品は、実は身近な食品ロスと言える。

そこで加工食品で最も小さなカテゴリーである ”災害備蓄食品” をまずターゲットに、食品ロスの問題解決を目指しはじめました。

世界=SDGsの目標に比べ、日本の目標はとても厳しいものになっています。備蓄食品を廃棄せず有効活用するにはリデュース・リサイクルをサプライ チェーン全体で取り組む必要があると考えています。

賞味期限等から判断し、主に以下の2つの活用先に適切に振り分けます。

リデュース(発生抑制)

フードバンク等への提供

中間支援団体としてフードバンク機能を使い、自治体や企業に賞味期限前の備蓄食品を入替時に破棄するのではなく、有効活用ができる提案をし、東京都内を中心に様々な福祉施設・子ども食堂社会福祉協議会・NPO・フードバンク等に備蓄食品を寄贈しています。

リサイクル(再資源化)

エコフィードとしての活用

賞味期限が切れ、おいしく食べれなくなってしまったものを、食品リサイクルで飼料として活用しています。
消費期限ではないため、養豚のエサ(エコフィード)として安心して利用できます。

備蓄食品の有効活用を図るには、それらを廃棄した際にかかる運搬・処理費用と同じくらいのコスト(物流費)がかかります。コストは寄贈元様にご負担いただいています。詳しくは、ぜひ弊センターまでお問い合わせください。

寄贈したい自治体・企業の方

入れ替え時に不要となってしまう備蓄食品を寄贈することが出来ます。食品ロスにせず寄贈やリサイクルで活用したいとお考えの自治体・企業の方、寄贈の条件や寄贈の流れはこちらのページを御覧ください。

寄贈をうけたい団体・施設の方

自治体・企業から寄贈を受けた災害備蓄食品を活用いただける団体・施設へお配りしています。利用を希望される方はこちらのページで寄贈の条件や寄贈を受ける流れをご確認ください。寄贈を受ける場合に費用はかかりません。

寄贈品活用の流れ

多種多様なセクターを見える化することで、持続可能な循環型社会を実現します。

持続可能な循環型社会の実現 多種多様なセクターを見える化で繋ぐ

防災備蓄食品は、今の日本にとってなくてはならないものです。自然災害はすでに予期せぬものというより、個人や企業で備えて体制を整えておくことが必須となってきています。そんな時代の防災備蓄食品は「災害が発生しなければ、破棄する」というものではなく、社会と繋がる・繋げるツールとして活用できるものとしての認識が広がっています。その活用方法や時代に合った備蓄方法が、食品ロス削減への一つの道筋になると考え、当団体は、備蓄する前から管理や使い方の相談に乗り、多くのニーズに応えるため尽力しています。
「リデュース」で寄贈・地域貢献・リサイクル、社会貢献に繋げることができる、時代にあった防災備蓄を始めてみませんか?

液体ミルクの備蓄増進

なぜ液体ミルクの備蓄推進が必要なの?

液体ミルクは常温で保存ができ、お湯でとく必要がなく、そのまま乳児に与えることができ、断水や衛生環境がよくない場合など、粉ミルクが作れないような時でも利用できるのが長所です。

国内で販売が開始された液体ミルクは、災害時の有効な活用が期待できることから、国から災害に備えて備蓄することが自治体に求められています。【事務連絡令和元年 10 月25 日】しかし全国の自治体では備蓄が進んでいないのが現状です。※全国の自治体の備蓄率は、13.4%(2020 年春 某メーカー発表)

液体ミルクは粉ミルクと比較して賞味期限が短い(紙パックで6ヶ月、缶で1年程度)ということが課題と言われています。

食品ロス・リボーンセンターでは、賞味期限が短く、入れ替え時の廃棄が発生するという課題に着目し、リデュース(寄贈)やリサイクルで備蓄の出口を作ることで、自治体での備蓄推進を後押し出来るよう取り組んでいます。

食品ロス・リボーンセンターの取り組み

令和4年度の活動

令和4年度 地方公共団体及び事業者等による食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業「災害備蓄食品の中で液体ミルクをトリガーにする食品ロス問題解決の取組み」として、下記の5つの事業を行いました。
千葉県富津市・株式会社明治の協力を得て、実際に自治体倉庫での備蓄から市内でのリデュース検証を行うことができました。

①液体ミルクの自治体(又は福祉施設)備蓄必要数量の算定
②ミルクの保存性についての試験を実施
③備蓄実証エリアでのリデュースの可能性
④備蓄実証エリアでのリサイクルの可能性
⑤事業報告による行動変容確認

リデュース検証

【本モデル事業のポイント】

環境省の支援を受け、令和4年度に千葉県富津市の協力を得てモデル事業を実施しました。

本モデル事業では、富津市で備蓄が必要と思われる量(1,440本)の液体ミルクを倉庫で保管し、その後、給食等の材料としてすべて使い切ることができました。

<主なポイント>

  • 夏季を含む3カ月間、倉庫で備蓄を行った液体ミルクでも、食味に大きな影響はありませんでした。官能試験で合格点(5点中4点以上)を獲得。
  • 備蓄した液体ミルクを入れ替える際には、市内の調理施設にそれらの液体ミルクを配布することで、液体ミルクを廃棄せずに使いきることができる見込みが立ちました。
  • 本モデル事業に参加した調理施設からは、配布した液体ミルクを料理(グラタン等)の材料として利用できた旨のコメントや、継続的に液体ミルクの活用に取り組む意向が確認されました。

こちらの事業報告については、アンケートに回答いただいた方にデータで配布しております。

主に自治体の方を対象としたアンケートとなっていますが、ご興味がありましたらご参加ください。

※回答頂いた方に環境省モデル事業報告書をお送りします。

令和3年度の活動

栄養士会の協力を得て、栄養士の方々にリデュースに関するアンケートとリデュース検証

栄養士の方々に勤務する施設では、自治体から備蓄のリデュース先として、液体ミルクの寄贈を受け入れできそうか、どのような活用の仕方が想定できるか、寄贈を受けるにあたっての課題や不安に関して、意見を集めました。

実際に7箇所の施設に液体ミルクを配布し、調理等で使用していただくリデュース検証も実施しました。

リサイクル実証

液体ミルクを食品リサイクル工場でエコフィード(リサイクル飼料)にリサイクルする検証を行い、エコフィードの原料としても活用できることを確認しました。

エコフィードについて詳しくはこちらのページをご覧ください。

環境省「令和3年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・食品リサイクル推進に関するモデル事業」

令和3年度の取り組みは、環境省のモデル事業として採択され、実施されました。

<公開場所>

環境省「食品ロスポータルサイト」(https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/

■モデル事業報告書(概要版)

令和3年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・食品リサイクル推進に関するモデル事業報告書(概要版)[PDF : 4.42MB]

https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/pdf/r3tisyokusuisinjigyou.pdf

食品ロス・リボーンセンターの取り組みはP.5から掲載されています。

■モデル事業ごとの報告書

環境省「食品ロスポータルサイト」にアクセスいただき、下記の経路でアクセスください。

→「事業者向け情報」

→「環境省事業における事業者の食品ロス削減取組事例」

→「令和3年度モデル事業個別報告書(事業者等)」

お問合せ

備蓄食品の活用をご検討されている方は、ぜひお気軽にお問合わせください。