なぜ液体ミルクの備蓄推進が必要なの?
液体ミルクは常温で保存ができ、お湯でとく必要がなく、そのまま乳児に与えることができ、断水や衛生環境がよくない場合など、粉ミルクが作れないような時でも利用できるのが長所です。
国内で販売が開始された液体ミルクは、災害時の有効な活用が期待できることから、国から災害に備えて備蓄することが自治体に求められています。【事務連絡令和元年 10 月25 日】しかし全国の自治体では備蓄が進んでいないのが現状です。※全国の自治体の備蓄率は、13.4%(2020 年春 某メーカー発表)
液体ミルクは粉ミルクと比較して賞味期限が短い(紙パックで6ヶ月、缶で1年程度)ということが課題と言われています。
液体ミルク備蓄の出口戦略 リデュースとリサイクル
食品ロス・リボーンセンターでは、賞味期限が短く、入れ替え時の廃棄が発生するという課題に着目し、リデュース(寄贈)やリサイクルで備蓄の出口を作ることで、自治体での備蓄推進を後押し出来るよう取り組んでいます。
食品ロス・リボーンセンターの取り組み
令和4年度の活動
令和4年度 地方公共団体及び事業者等による食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業「災害備蓄食品の中で液体ミルクをトリガーにする食品ロス問題解決の取組み」として、下記の5つの事業を行いました。
千葉県富津市・株式会社明治の協力を得て、実際に自治体倉庫での備蓄から市内でのリデュース検証を行うことができました。
①液体ミルクの自治体(又は福祉施設)備蓄必要数量の算定
②ミルクの保存性についての試験を実施
③備蓄実証エリアでのリデュースの可能性
④備蓄実証エリアでのリサイクルの可能性
⑤事業報告による行動変容確認
【本モデル事業のポイント】
環境省の支援を受け、令和4年度に千葉県富津市の協力を得てモデル事業を実施しました。
本モデル事業では、富津市で備蓄が必要と思われる量(1,440本)の液体ミルクを倉庫で保管し、その後、給食等の材料としてすべて使い切ることができました。
<主なポイント>
- 夏季を含む3カ月間、倉庫で備蓄を行った液体ミルクでも、食味に大きな影響はありませんでした。官能試験で合格点(5点中4点以上)を獲得。
- 備蓄した液体ミルクを入れ替える際には、市内の調理施設にそれらの液体ミルクを配布することで、液体ミルクを廃棄せずに使いきることができる見込みが立ちました。
- 本モデル事業に参加した調理施設からは、配布した液体ミルクを料理(グラタン等)の材料として利用できた旨のコメントや、継続的に液体ミルクの活用に取り組む意向が確認されました。
こちらの事業報告については、アンケートに回答いただいた方にデータで配布しております。
主に自治体の方を対象としたアンケートとなっていますが、ご興味がありましたらご参加ください。
令和3年度の活動
栄養士会の協力を得て、栄養士の方々にリデュースに関するアンケートとリデュース検証
栄養士の方々に勤務する施設では、自治体から備蓄のリデュース先として、液体ミルクの寄贈を受け入れできそうか、どのような活用の仕方が想定できるか、寄贈を受けるにあたっての課題や不安に関して、意見を集めました。
実際に7箇所の施設に液体ミルクを配布し、調理等で使用していただくリデュース検証も実施しました。
リサイクル実証
液体ミルクを食品リサイクル工場でエコフィード(リサイクル飼料)にリサイクルする検証を行い、エコフィードの原料としても活用できることを確認しました。
エコフィードについて詳しくはこちらのページをご覧ください。
環境省「令和3年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・食品リサイクル推進に関するモデル事業」
令和3年度の取り組みは、環境省のモデル事業として採択され、実施されました。
<公開場所>
環境省「食品ロスポータルサイト」(https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/)
■モデル事業報告書(概要版)
令和3年度地方公共団体及び事業者等による食品ロス削減・食品リサイクル推進に関するモデル事業報告書(概要版)[PDF : 4.42MB]
https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/pdf/r3tisyokusuisinjigyou.pdf
食品ロス・リボーンセンターの取り組みはP.5から掲載されています。
■モデル事業ごとの報告書
環境省「食品ロスポータルサイト」にアクセスいただき、下記の経路でアクセスください。
→「事業者向け情報」
→「環境省事業における事業者の食品ロス削減取組事例」
→「令和3年度モデル事業個別報告書(事業者等)」
お問合せ
備蓄食品の活用をご検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。